ほうしゃせんしょり
放射線処理（放射線殺菌）　radiation sterilization

国際的に食品照射に使用することが認められているガンマ線（γ線：Co-60、Cs-137）、電子線、エックス線（X線）の照射によって、微生物の殺菌処理をすること。放射線殺菌は照射線量の高低によって、�@微生物すべてを不活性化させる、�Aサルモネラのような芽胞を持たない病原菌を死滅させる（1〜10kGy）、�Bカビや酵母などの腐敗微生物を減少させて貯蔵性を延長させる（1kGy以下）の３段階がある。放射線殺菌は、10kGy以下の照射では食品の健全性や栄養価に与える影響はないといわれており（WHOなど）、また冷殺菌のため温度上昇がないこと、薬剤などの残留がないこと、連続殺菌が可能で透過力が大きいため包装したままでの殺菌が可能であることなどの長所がある。日本では食品の放射線殺菌は認可されておらず、じゃがいもの発芽防止や食品包装材、医療用器具などの滅菌に照射が認められているのみである。米国では、食品衛生のための取り組みとして食品の放射線処理が一般的になりつつある。