イギリス領ジャージー島原産の乳用牛。フランスで飼われていたブルトン種にノルマンディー種が交雑されてできたもの。約600年にわたって他品種と交雑されることなく、純粋繁殖によって維持された。そのため体型や資質、能力にばらつきがない。毛の色は褐色、体型は小型、体重は雄で700kg前後、雌で400kg前後で典型的な乳用型をしている。乳量は年3,300〜4,000kgと少ないが、乳脂肪率は5.0%と高く、バターやクリームの原料乳として優れている。粗飼料や草の利用性が高い品種で、山岳酪農を推進するということから昭和29〜34年までに約25,000頭輸入されたが、現在は岡山県、熊本県などの原料乳生産地帯で、少数飼育されているにすぎない。