だいちょうきんぐん
大腸菌群　coliform group

グラム陰性の無芽胞桿菌で、乳糖を分解して酸とガスを生ずるすべての好気性、通性嫌気性の菌群のこと。細菌学でいう大腸菌、サイトロバクター、クレブジェラなどが含まれる。本菌群が食品中に存在することは、この菌群と出所が同じ消化器系感染症や食中毒などの原因微生物に汚染されていることを示す指標になるとされてきた。食品衛生法では特定の食品に対し、大腸菌群が陰性でなければならないとし、大腸菌群検査が求められている。しかし、本菌群は自然界にも広く存在することから、本菌群よりもふん便中に存在する確率が高く、しかも自然界で死滅しやすいふん便系大腸菌群や大腸菌を指標として用いるケースが増えている。なお、大腸菌群は食肉製品では63℃で30分間、またはこれと同等以上の加熱殺菌が確実に実施されたか否かを判断する指標菌としても用いられている。