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長生きする人の食生活の特色は?

人は何歳まで生きられるのか?1963年から99年まで最高寿命者の死亡時の年齢から見ると、110歳前後が寿命の限界と思われます。100歳以上の人数は1963年は153人、1999年は11,346人と35年間で74倍も増加(図4)。寿命の限界近くまで生きる人が年々増え、現在全国で100歳以上の人口は1万3千人を突破しました。

100歳老人は動物性食品が好き?

100歳老人の食事調査によると、タンパク質摂取量の中で動物性食品の割合が男性59.5%、女性57.6%と日本人の平均48.7%を上回ります。さらに100歳以上の男性100%、女性80%以上が、ほぼ毎日動物性タンパク質を食べていると報告されています(東京都老人総合研究所1972 ・3年調査)。
とくに100歳老人が多いのは沖縄県です。人口10万人あたり28.12人と、2位の高知に4.5人差をつけています。平均寿命は女性が全国1、男性も全国4位。ガン、心筋梗塞など心疾患、脳卒中など脳血管疾患による死亡率は全国最低です。東京都老人総合研究所は、この沖縄の中でも長寿地域にあるO村と平均寿命が短い秋田県のN村を比較しました(図5)。
肉をよく食べて野菜・果物も豊富な地域と、動物性タンパク質が不足気味で塩分を多く摂る地域では、体にも違いが現れます。沖縄O村のお年寄りは、血中アルブミン濃度とコレステロール値が高く栄養状態が良好ですが、秋田N村は、とくに70歳以上の人の血中コレステロール値、アルブミン値が低いという結果がでました。

沖縄・ハワイの豊かな食事が長寿をもたらす

世界一の長寿グループといえば、沖縄から移住したハワイ日系一世、二世です。日本人女性が1960年、男性が1975年に平均寿命70歳に達しますが、ハワイ日系人は1950年に男女とも70歳を越えています。日系人が長寿な理由を求め、WHO(世界保健機関)の循環器疾患共同研究の一環として京都大学大学院教授の家森幸男先生を長とし、沖縄出身ハワイ日系人の食生活・疾病について大規模な疫学調査が行われました。
高血圧、脳卒中の既往症、冠動脈疾患の危険性を示す心電図の変化では、ハワイ日系人が日本人より低く、心筋梗塞の危険因子となる高脂血症の発症率には差がでませんでした。痴呆の出現率は、日本の中では痴呆の少ない沖縄県より低く、脳卒中に伴う痴呆は沖縄の3分の1です。
日系人は日本の伝統食を捨てず、欧米風の肉料理も食べ、ハワイ特産の野菜・果物も食卓に乗せます。肉や魚、野菜や果物、豆腐や海草が並ぶ豊かな食事――これが長寿世界一の理由かもしれません。

沖縄のO村はタンパク質、脂肪摂取量とも秋田のN村を上回ります。これらの栄養素は肉、卵、牛乳・乳製品から摂取、とくに肉類は秋田N村の約3倍も食べています。O村はビタミン・ミネラルの摂取もN村を上回ります。
秋田のN村は冬は雪に閉ざされ野菜が不足して、漬け物などに頼りがちです。動物性タンパク質が少ない上、塩分は多めで高血圧や脳卒中が心配されます。一方の沖縄O村のナトリウム摂取量はN村の70%、食塩量にして1日10g以下です。一年中野菜・果物が豊富にあり、海草や豆腐も日常的によく食べています。



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