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ストレスは心筋梗塞の原因になる?

ストレスは、気づかないうちに体にさまざまな影響を及ぼします。心筋梗塞もストレスが大きな危険因子となるとされています。
心筋梗塞は心臓をとりまく冠動脈の血流障害が長く続いて、心筋の細胞が壊死した状態です。一方、狭心症は冠動脈の血流障害により、一過性の胸痛を訴えるもの。この二つを虚血性心疾患と呼びます。
冠動脈の血流障害は、体内の活性酸素により酸化したLDLコレステロールが血管壁に入り込み粥状腫(アテローマ)をつくり、血管腔を狭めて起こります。粥状腫が破れると血小板が集まって凝固し、血管腔を塞げば心筋梗塞になります。
同様の血液凝固が脳の血管で起きたものが、脳梗塞です。
心筋梗塞の危険因子には高コレステロール値、血圧上昇、喫煙、血糖値の上昇、運動不足、ストレスなどが上げられます。
スウェーデンの調査では、市の職員で心筋梗塞になった人と、健康な人を比較すると、心筋梗塞患者ははるかに長時間勤務をしていたことがわかりました。別の調査では、心臓発作が起こる前の数ヶ月間に精神的衝撃を与える生活上の変化が高比率で現れていることが報告されています(テオレルとラレーの調査)。

ストレスでコレステロールは上昇、血栓もできやすくなる

ストレスは血圧や血糖値を上げ、消化器系の働きを抑制し、血清コレステロール値を急上昇させ、血栓をつくりやすくします。アメリカのフリードマン博士は公認会計士20人を調べたところ、1年で最も忙しい税金の最終申請時期になるとコレステロール値が急激に上昇し、血液も凝固しやすくなったことがわかりました(図4)。これはストレスが心筋梗塞の危険因子となることを示しています。

図4
フリードマンは1957年1月から6月の間に40人の会計担当者を対象に調査。A群は税金の還付を担当で税金還付期限直前の4月前半が多忙、B群は会社の経理で年始めと税金還付期限直前が多忙です。両群とも忙しい時期に血中コレステロールが高くなっています。

また浜松医科大学の高田明和先生は、ボランティアの学生に「耳たぶを切開して出血時間を調べる」ことをストレスとして与え、さらに「切開は初心者の医学生が行う」と伝えました。すると実験の手順を説明しただけで、血液中に交感神経を興奮させるアドレナリンが増え、同時に血栓を誘発するセロトニンという物質が増えたと報告しています。
セロトニンは血小板から放出される物質で止血作用にかかわると同時に、神経の情報を伝達する役目があります。ストレスを感じると脳を活性化させるため、セロトニンのような神経伝達物質が増えるのです。ところがセロトニンが過剰になると血栓をつくりやすくなり、狭心症や心筋梗塞の危険が増えてしまいます。またセロトニンが減り過ぎると、うつ状態になることが知られています。
このようにストレスは血清コレステロール値を上昇させ、血液の凝固時間を短くして血栓をつくりやすくして、心筋梗塞などを招きやすくするのです。動脈硬化や高血圧、糖尿病、高コレステロールなどの危険因子がある人は、とりわけストレスの少ない生活を心がけ、心筋梗塞にならないよう気をつけましょう。

 

 

酸化したLDLコレステロールが血管の内皮細胞の傷口から血管内に入り込んでたまり、貪食細胞マクロファージが酸化LDLを食べ続ける。

酸化LDLを食べ続け破裂したマクロファージの死骸に別のマクロファージがたまり、血管の平滑筋細胞が増殖。 3 マクロファージの死骸が血管壁にたまり、盛り上がった病巣(粥状腫=アテローマ)ができる。 4 血管が狭くなり血流が変化、そこに血小板が付着、粥状腫が破れ血液が凝固して血栓となる。

 



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