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感染症の予防には食肉が効果的?

戦後日本人の寿命は、結核など感染症の激減により飛躍的に延びました。その背景には、動物性食品の摂取増による栄養状態の改善があります。
免疫は外部から侵入する病原菌やウイルスと戦い、これらを排除して病気を防ぐ体の防御システムです。免疫系が働かないと、体はさまざまな病原菌やウイルスに占領され、やがては死に至ります。免疫系が完全に破壊される病気がエイズ(AIDS―後天性免疫不全症候群)で、健康な人には無害な菌にも簡単に感染し、体中が菌に侵されてしまうことが知られています。
感染症が減った理由は、抗生物質の開発だけではありません。栄養状態の低い国ではいくら抗生物質を使用しても、効果が見られない現実があります。感染症対策では、抗生物質と並んで栄養、とくに良質のタンパク質の摂取が重要です。タンパク質が十分なら免疫も強化され、細菌やウイルスなど感染症の原因に立ち向かえるのです。
現在も開発途上国では、タンパク質などが不足した低栄養状態から、子供のはしかや結核が重症化しています。また、各国のタンパク質摂取量とB型肝炎ウイルスの感染率を見ると、低タンパク質状態の国ほど、感染率が高くなっています。
タンパク質の摂取状態を知るには、血液中のアルブミン量を調べるのが一般的です。血清アルブミン濃度が低ければ免疫力も下がり、感染症にかかりやすくなります。血清アルブミン濃度が高い人は肺炎にかかりにくく、反対に低い人は肺炎や傷の治りが遅いといわれます。
最近、日本でも結核の増加や、MRSAなど抗生物質の効かない菌(耐性菌)が問題になっています。免疫力が低下すれば、克服したはずの感染症は再び戻ってきます。食肉などの良質なタンパク質の摂取につとめ、免疫系を強化することは、感染症予防に大切なことといえるでしょう。

免疫
狭い意味では侵入する病原菌やウイルスを迎え撃ち、排除して病気にならないようにする働きのこと。 一般的には自己と非自己を識別し、非自己を排除する反応の総称。

アルブミン
血液中にある35種類のタンパク質の一種。栄養状態が良好なら血液100p中4〜5g含まれ、3.5gをきるとガン、肝硬変、腎臓病などの重病、極端な栄養失調、老衰が考えられ、2.5gあたりで生死の分かれ目に。血清アルブミンは加齢と共に低下しますが、肉を時折しか食べない高齢者に毎日食べるようにお願いしたところ、2年後には血中アルブミンが増えたとの報告があり、食事による影響が大きいとされています(Q08参照)。

MRSA
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌。手術後の感染などで重症になる場合も。



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