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コレステロールの体内での働きは?

コレステロールは、私たち動物にとって欠くことのできない重要な脂肪です。およそ60兆個にのぼるといわれるヒトの体の細胞は、細胞膜という生体膜で被われていて、この膜を通じて物質の出し入れを行って生きています。
細胞膜は細胞内部を保護し独立を保ちつつ、細胞外部と物質やエネルギーの出入りをさせなければなりません。コレステロールは、タンパク質やリン脂質とともにすべての細胞膜に含まれていて、膜の流動性を調節する働きをしているのです。
コレステロールは脳と神経系に多く、成人の体内コレステロール量100〜150gのうち1/4が脳に集中、神経系全体では1/3強となります。これは脳に500億〜1兆もの神経細胞があり、脳の情報を体の各部に伝達するためにはコレステロールが不可欠だからです。神経細胞の電線の役目をする神経繊維を、コレステロールは絶縁体のように被い、脳の情報を素早く正確に体の隅々へ伝達しているのです。
コレステロールはまた、副腎皮質、性腺、胎盤が合成するステロイドホルモンの原料。副腎が合成する副腎皮質ホルモンは50種類にも及び、いずれも大切な働きをしています。睾丸でつくられる男性ホルモンのアンドロゲン、卵巣でつくられる女性ホルモンのエストロゲン、胎盤でつくられる黄体ホルモンのプロゲステロンも重要なステロイドホルモンです。
さらにコレステロールは、脂肪の消化に不可欠な胆汁酸のもとになります。胆汁酸は肝臓でコレステロールからつくられ、石鹸のように脂肪を水に溶けやすし、同時に、膵臓からでる消化酵素リパーゼを活性化し、脂肪の消化吸収を助ける働きもしています。

生体膜
細胞膜のほか細胞内の核や微小器官のまわりにあり、リン脂質、タンパク質、コレステロールでできた膜。極薄ながらレセプターや酵素、イオンチャンネルやポンプなどの装置を持ち、細胞内外の物質の出入りを厳密にコントロールしています。

神経細胞は核を含む細胞体、細胞体を被う樹状突起、細胞体から伸びたミエリン鞘というコレステロールで被われた神経繊維からできています。脳の情報は電気信号化され樹状突起に入り、神経繊維を通り抜け、筋肉などの末端に到着。神経繊維が電線なら、ミエリン鞘は絶縁体の役目をし、情報が混線せず目的地に届くよう働きます。ミエリン鞘は所々に切れ目があり、電気信号がコレステロールの切れ目から切れ目へジャンプすることで情報が素早く伝わるしくみです。



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