コレステロール値が高いのは食べ物が原因?
コレステロールを多く含む食品を食べたからといって、必ずしも血清コレステロール値が上がるわけではありません。体内では1日1.2g前後のコレステロールが各組織に供給されますが、食品由来のものは0.2gほど、残りは体内合成されます。健康な人が多量のコレステロールを食べると、肝臓はコレステロール合成を抑制しますし、食事から入る量が少ないなら、肝臓は合成を促進し不足を補います。
東海大学医学部付属病院が行った「コレステロール負荷テスト」では、高コレステロール血症の人に2週間毎日750mg、卵3個分のコレステロールを摂取させ、血清コレステロールの変化を見ました。その結果、コレステロール摂取によりLDL値が上昇したのは約35%にすぎず、逆にHDL値が増えた人は約45%でした。
このことからも、たとえ高脂血症であっても食品のコレステロール制限が必要な人は、あまり多くないといえます。健康な人なら、食べ物によってコレステロール値が左右されることは、ほとんどありません。