家族性高コレステロール血症ってなに?
家族性高コレステロール血症は、両親、兄弟など血縁者に高コレステロール血症の人がいる遺伝病で、500人に1人の割合で見られ、総コレステロール値は300mg/q(通常200mg/q程度)に上昇、600mg/q以上の重症も100万人に1人くらいの割合で見られます。
小児期からコレステロール値が高い以外に症状が無いことも多いのですが、総コレステロール値が300mg/qを超えると、黄色腫というコレステロールの沈着が瞼や手の甲、肘などにでき、黒目のまわりに白色の角膜輪が見られるようになります。狭心症や心筋梗塞になる割合も高く、とくに総コレステロール値が600mg/q以上と重症の場合は、若いうちから心臓の冠状動脈にコレステロールが沈着し、心筋梗塞に至ることもあります。
家族性高コレステロール血症では、細胞内にLDLを取り込むレセプターの数が少ないか、あるいは欠損しています。このためLDLが細胞内に入らず、血液中のコレステロール量が増加します。食事療法や運動療法だけでなく、治療には体内のコレステロール生成を抑制する薬や、腸管と肝臓を循環している大量のコレステロールを強制的に排泄する薬が投与されます。