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コレステロール値が低いと、うつ病になる?

コレステロールとうつの関係が最初に注目されたのは、虚血性心疾患とコレステロールの関係を調べるための介入研究です。世界各地で行われたこの調査は、食事療法や薬物療法でコレステロールを下げて、虚血性心疾患がどのくらい減るかを見たもの。その結果、コレステロールが下がると確かに虚血性心疾患による死亡率は下がるものの、自殺やガン、事故死が増え、全死亡率で見てもコレステロールを下げた群が高くなりました(普j。

その後の調査で、低コレステロール群はうつ状態の進行が早く、高齢になるほどその傾向が強いことがわかりました。また、東京都老人総合研究所が秋田県N村の65歳以上504人を4年間調査した結果、コレステロール、とくにLDLコレステロールが低い人は、うつ状態になりやすいことがわかりました。
コレステロールが低いとうつ状態になるのは、神経伝達物質であるセロトニンが関係します。セロトニンはストレス時に血小板から放出され、血栓を誘発する物質ですが、セロトニンが減るとうつ状態や自殺が増えるとされています。
セロトニンがうまく機能するためには、血中のコレステロール濃度が一定レベルに保たれていることが必要です。脳の情報がうまく伝わるためには神経伝達物質のセロトニンがうまく細胞内に取り込まれる必要があります。細胞膜にはセロトニンの受容体がありますが、血液中のコレステロールが減ると、細胞膜のコレステロールも減って不安定になり、受容体の機能も弱るため、細胞内にセロトニンが取り込まれず、その働きが低下するというわけです。
実際にうつ病の患者さんの血液を調べると、血液中のセロトニン値が低い人はコレステロール値も低いことが報告されています。

セロトニン
必須アミノ酸の一つ、トリプトファンが代謝されてできる神経伝達物質。ストレスなどが交感神経を刺激すると血小板から放出されます。セロトニンには止血作用があり、血液を固めるため血栓を起こす原因にもなりますが、逆に少な過ぎるとうつ状態を招くとされます。最近は血小板内のセロトニンの量と怒りや憎しみ、喜びなど感情の変化、とくにうつ病との関係が注目されています。



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