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コレステロールとガンの関係は?

1981年に発表されたハワイ日系人40〜59歳の男性8000人を9年間追跡調査した結果を見ると、虚血性心疾患による死亡率は、コレステロール値が高いほど上昇しますが、コレステロール値が低くなると、今度はガンによる死亡率が増えることが判明。この報告が先駆けとなり、ガンとコレステロールの関係は注目を集めるようになりました。
低コレステロール値でガンが増えるという結果は、アメリカのフラミンガム市やロンドン市の職員の調査、プエルトリコ、ホノルル、ニュージーランドなど多くの疫学調査でも報告されています。
病理学的にはガンの発生に先立ち、コレステロールの代謝異常や組織内コレステロール異常が見られるとの研究があります。一般にガン患者のコレステロール値はガンの進行に伴い減っていきます。
前述の研究はガンと総コレステロール値の関係が主ですが、東京都老人総合研究所元副所長の柴田博先生らがHDLコレステロール値とガンの関係を調査したところ、HDL値が低いほどガンによる死亡率が高まるという結論が出ています。それは埼玉県T市の40〜80歳の住民3222人を10年間追跡調査したものです。この研究では、ガンのリスクが高くなる総コレステロール値を男性90〜170mg/q、女性91〜182mg/q、HDL値では男性18〜40mg/q、女性20〜44mg/qと報告しています。
ガンの危険因子は実は低コレステロー自体ではなく、低コレステロールを招くような食生活による栄養不足、栄養の偏りにあるとも指摘されています。しかし栄養素が不足しないようコントロールした研究でも、低コレステロールは独立したガンの危険因子であるとの報告も出ています。コレステロールが低いとなぜガンが増えるのか? 本格的解明はこれからといえるでしょう。

他の臓器に転移がない乳ガン患者を対象にした調査を見ると、30歳台、40歳台の患者のコレステロール値は同年代の健康な女性より低くなっています。しかし乳腺の良性腫瘍を持つ患者ではコレステロール値は健康な女性と差がありません。こうした差は50歳台になるとほぼ見られなくなます。女性は更年期を境にエストロゲンが急減し、その結果、コレステロール値が上昇するためと考えられます。



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