植物油の摂り過ぎは良くない?
植物油の代表ともいえるリノール酸には、コレステロール値を低下させる作用が認められています。このため健康に良い油として積極的な摂取がすすめられてきました。
しかし、リノール酸など多価不飽和脂肪酸には、一方で酸化しやすいという欠点があります。酸化したリノール酸は血液中のLDLを攻撃して変性させ、この変性LDLが血管内で粥状腫をつくり、動脈硬化を促進するのではと考えらています。
1990年に発表されたフィンランドの研究調査では、成人病の危険因子を持つ40〜55歳の1200人をA群とB群に分け、A群は総エネルギーを減らしてリノール酸の摂取をすすめ、最初の5年間は降圧剤や抗高脂血症剤を必要に応じて投与。一方のB群は何もせず15年間にわたり追跡調査をしたところ、5年目まではA 群に効果が認められたものの、その10年後には血圧、コレステロール値共に差がなくなり、A群の心臓病死はB群の2.4倍、全死亡率も1.4倍という結果になりました。
いずれにしろ特定の脂肪酸の過剰摂取は問題があるといえるでしょう。