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タンパク質の立体構造ってなに?

タンパク質はアミノ酸の玉が鎖のようにつながっているといわれますが、実際はもう少し複雑で、アミノ酸の鎖はらせん状や折り畳まれた形、あるいは球状に丸まった立体構造をしています。タンパク質の立体構造はポリペプチド鎖と呼ばれるアミノ酸のつながりが一次構造、ポリペプチド鎖がらせん状になった二次構造、それがさらに折り畳まれ球状となる三次構造、球状の鎖がいくつか集まり大きな構造をとる四次構造があります。
20数種のアミノ酸はアミノ基とカルボキシル基は共通ですが、側鎖と呼ばれる部分がそれぞれに違います。側鎖には親水性のものと疎水性のものがあり、これによってアミノ酸も親水性、疎水性を規定されます。アミノ酸がつながった鎖が立体構造をとるとき、疎水性のアミノ酸は内側へ、親水性のアミノ酸は外側に行こうとし、1本の鎖が立体へ変化していきます。体内の成分は70%が水分ですから、タンパク質は常に水と接する状態にあり、疎水性のアミノ酸が水を嫌って内側に潜り、親水性のアミノ酸が水と接する外側に行くのは道理といえます。
側鎖が酸性か塩基性かもタンパク質の構造を決める要因です。塩基性の側鎖はプラス、酸性の側鎖はマイナスのイオンを帯びており、アミノ酸同士は互いに側鎖部分のイオンを引き合ったり、反発し合うため、立体構造に影響を及ぼします。
アミノ酸の種類や数、配列のしかたと並び、立体構造はタンパク質の独自性を保つ大きな要素です。たった20数個のアミノ酸から何百億、兆種類のタンパク質が生まれるのはこのためといえるでしょう。

ポリペプチド鎖
アミノ酸のつながりであるポリペプチド鎖は、鉛筆を芯にしてそのまわりに針金を巻き付けてできるような形(αらせん)を好んでとります。羊毛や髪の毛を蒸気をあてながらゆっくり伸ばすと、意外に伸びます。顕微鏡で見るとポリペプチド鎖が引き延ばされ、鎖と鎖の間が水素結合で固められ、αらせんが別の構造に変化したことがわかります。これがβ構造と呼ばれるもので、さまざまなタンパク質に見られます。αらせん、β構造は共にタンパク質の二次構造に分類され、無理なく安定した構造といわれます。



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