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「運搬・結合タンパク質」はどんな働きをする?

運搬タンパク質の代表は血液中の酸素を運ぶヘモグロビンです。ヘモグロビンは1867年、地球上の1兆ものタンパク質から最初に純粋な結晶の形で取り出されたタンパク質で、美しい赤い色が特徴です。

ヘモグロビンの結晶

赤血球の約30%を占めるヘモグロビンは、肺で酸素と結合して体の隅々まで運び、酸素を必要とする組織に放出します。ヘモグロビン1gは1.35pの酸素と結合でき、100pの血液は約15gのヘモグロビンを含むとされています。人間の血液全体約6rで換算すれば約1.2rの酸素が運ばれています。
肺で酸素と結合したヘモグロビンは鮮紅色ですが、体内各組織で酸素を放出するうちに暗紅色となって再び肺に戻ります。動脈血が鮮紅で、静脈血が紅黒いのは、赤血球中のヘモグロビンが酸素を含んでいるかいないかによるのです。
さて、ヘモグロビンが酸素と結合するのに対し、カルシウムイオンとだけ結合するタンパク質もあり、カルシウム結合タンパク質、またはカルシウム受容タンパク質と呼ばれます。カルシウム結合タンパク質には多くの種類があり、筋肉の筋線維にあるトロポニンや、細胞内のカルシウムバランスを調節するカルモジュリンもその仲間です。
カルモジュリンは、1971年に日本とアメリカでほぼ同時に発見されたカルシウム結合タンパク質です。細胞内のカルシウムイオン濃度が高くなると、カルモジュリンはそれと結合して構造を変え、ある種の酵素を活性化します。逆にカルシウムイオン濃度が低くなると結合していたカルシウムイオンを手放して酵素から離れ、酵素を不活性状態に戻します。こうしてカルシウムと結合したり離れることで酵素を制御しているのです。
カルモジュリンの相手となる酵素には多くの種類があります。このように、カルシウム結合タンパク質は、代謝系の酵素を活性化し、細胞内の代謝を変化させていると考えられます。



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