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脳卒中とはどんな病気?

1960年代まで日本は脳卒中による死亡率は世界一でした。1965年前後から食生活が改善され、肉などの動物性食品が食卓に並ぶにつれて、脳卒中は急速に減少していきました。
1950〜1960年頃の日本では、アメリカの心筋梗塞の場合と同様、脳卒中の原因は高血圧と高コレステロール値であると考えられていました。ところが脳卒中多発地域を調べると、塩分の過剰摂取でタンパク質と脂肪の摂取量が少ない、むしろコレステロール値が低くなる食生活をしていたことが判明しました。その後のさまざまな調査・実験を経て、現在では日本人の脳卒中の原因は、タンパク質や油脂の少ない低栄養食と高血圧と考えられています。
脳卒中は脳の血管が硬くもろくなり、破れたりつまったりして、脳の細胞に栄養や酸素がいかなくなって起こります。脳卒中は、脳の血管が破れて出血する脳出血と、血管が詰まる脳梗塞に分けられます。日本人の場合は、高血圧から脳の細い血管(細小動脈)壁に壊死が起きて出血する脳出血が多く、また、脳梗塞も、高血圧により頭蓋内の細い動脈に壊死が起き、血栓が形成されて血管がつまる「動脈壊死型」がほとんどです。この脳梗塞は致死率は低いものの、痴呆や障害など後遺症が残りやすいのです。
欧米人は圧倒的に「粥状硬化型」と呼ばれる脳梗塞が多く、これは高脂肪食の結果、血管の壁が粥状硬化を起こしたもの。頭蓋内外のかなり太い動脈に起こります。
栄養過多と高血圧が原因の欧米の脳卒中と低栄養と高血圧で起こる日本型の脳卒中では栄養学的な背景が違うのです。
塩分過剰の低栄養食から良質タンパク質や脂肪を含む食生活への変化こそ、脳卒中が減った真の理由といえるでしょう。

筑波大学名誉教授小町喜男先生らの研究では、コレステロール値が増えるにつれ、脳出血の発生率が減っています。また「動物性脂肪摂取量と脳梗塞」の関係を昭和40年代と50年代とで比較した研究では、動物性脂肪摂取量が少ないと脳梗塞の発生が多いという傾向が見られました。

脳卒中(脳血管疾患)は栄養状態が中程度の国に多発、それより貧しいと感染症が、栄養過剰では虚血性心疾患が問題になります。かつて欧米でも脳卒中による死亡率は高かったのですが、栄養状態の改善に伴い低下しました。日本では1951年に、結核に代わり脳卒中が死亡率1位に。その後、脳卒中の死亡率は下降線をたどり、1981年にガンに1位の座を譲ります。これは、決してガンが増えたためではなく、脳卒中が激減したことによります(Q01図1参照)。



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