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飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸、どこが違う?

脂肪酸には骨格となる炭素がすべて飽和結合で満たされた飽和脂肪酸と、一部に二重結合(不飽和結合)を持つ不飽和脂肪酸があります(Q53参照)。さらに不飽和脂肪酸の中でも二重結合を1個だけ持つものを一価不飽和脂肪酸、2個以上持つものを多価不飽和脂肪酸と呼びます。
脂肪酸のうちエネルギー源になるのは、第一に飽和脂肪酸、次に一価不飽和脂肪酸です。飽和脂肪酸が貯蔵脂肪として使われる重要な意味は、化学的に安定した物質であるからです。これに比べて多価不飽和脂肪酸は化学的に不安定で、過酸化物質をつくりやすく、貯蔵に向いているとはいえません。
リノール酸やα-リノレン酸などの多価不飽和脂肪酸は、細胞膜を構成するリン脂質の一部であり、細胞から出るシグナル物質、プロスタグランジンなどの生理活性物質の材料として使われます。
誤解されているのが「飽和脂肪酸はコレステロールを増やし、不飽和脂肪酸はコレステロールを減らす」ということ。脂肪酸の研究が進むにつれ、飽和脂肪酸にも牛肉に含まれるステアリン酸のようにHDLの働きを促し、LDLを減らすものが見つかっています。また牛肉や豚肉、オリーブ油などに多い一価不飽和脂肪酸のオレイン酸には、多価不飽和脂肪酸のリノール酸と同じようにコレステロール降下作用があることが判明。オレイン酸は飽和脂肪酸のステアリン酸からも体内合成できます。
不飽和脂肪酸のリノール酸やα-リノレン酸は体内合成できず、食事から摂取する必要があるため、必須脂肪酸と呼ばれます。とくにリノール酸はLDLを減らし心臓病を予防するといわれましたが、リノール酸は普通に食事を摂っていれば、必要量は簡単に摂取できます。
かわって近年注目されているのが不飽和脂肪酸のEPA(イコサペンタエン酸)とDHA (ドコサヘキサエン酸)です。どちらも魚油の成分で、EPAは血栓を予防し、DHAは視力に関係するといわれています。

EPAとDHA
EPAはイワシやサバ、サンマなど大衆魚に多く、中性脂肪やVLDLを低下させ、血栓を防ぐ作用を持つプラスタグランディンやトロンボキサンなど生理活性物質の材料となります。DHAも魚油の成分で体内では脳や神経、網膜系に多く視力と深く関係します。不足すると白黒の判断能力が落ち、暗い場所に順応するのに時間がかかるといわれます。



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