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アレルギーとタンパク質摂取との関係は?

食品アレルギーは0〜2歳に集中し、卵、牛乳、肉、大豆製品とタンパク質が主成分の食品で起こりやすいといわれています。乳幼児期は腸管が未発達で、このため、これらの食品のタンパク質が分解されずに体内に侵入し、アレルギー反応が起こると考えられています(Q32)。
食品に含まれるタンパク質は、大切な栄養素ながら生体には異物です。普段食べる量の何百分の1かのタンパク質を血管に注射すれば、ショック死することもあるのに、口から食物を摂取しても全く平気なのは、食物を吸収する腸管の免疫系が全身の免疫系に働きかけるため。これを経口免疫寛容と呼んでいます。
腸管免疫系は、胸腺系の免疫系とは別の免疫システムで、抗体の一種、免疫グロブリンAを作り、病原体が腸管粘膜から侵入するのを防ぎます。さらに経口免疫寛容により食品アレルギーが起こらないように働いています。つまり経口免疫寛容がうまく働かない人は、アレルギー反応が起こりやすいと考えられます。経口免疫寛容が働かないのは遺伝的素因が大きいものの、母乳育児の減少や食品添加物の増加、大気汚染や排気ガスなどの環境要因も無視できないでしょう。
アレルギーの原因や治療はまだ研究途上ですが、経口免疫寛容を利用した「経口減感作療法」の研究が進んでいます。経口減感作療法は、腸管免疫系に本来備わっているしくみをアレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)で弱く刺激し、抗体産生を抑え、経口免疫寛容を引き出す試みで、実用化が期待されています。
アレルギーになりやすい人は、免疫が過剰反応しやすい状態なので、偏った栄養の摂り過ぎはよくありません。また、アレルギーはストレスとも関係し、大脳がストレスを感じると、それが免疫系にも伝わり働きが弱まったり、時には必要以上に強くなり病気やアレルギー反応を起こします。体質にあったバランスの良い食事と共に、過労を避け、自分なりのストレス解消法を見つけて、前向きに暮らすことが大切でしょう。

経口減感作療法
たとえば牛乳のアレルギーでは、牛乳のタンパク質成分、β―ラクトグロブリンがアレルゲンです。これを加熱して変性させ、アレルゲン活性を低めてマウスに与えたところ、アレルギーが軽減したとの報告があります。人間への応用では、花粉やダニのタンパク質成分を抽出したものを服用してもらい、アレルギー反応が抑えられたとの報告もあります。



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