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脂肪はどのように消化・吸収される?

脂肪の多い食品は糖質やタンパク質が主体の食品に比べ、消化の始まりが遅く、吸収に時間がかかります。脂っこい料理が腹持ちがいいのは、このためです。
食品に含まれる脂肪の多くは、化学的に安定した中性脂肪の形をしています。体内に入ると中性脂肪は十二指腸で胆汁により乳化されます。次に膵臓からの消化酵素リパーゼの働きで、脂肪酸を一つつけたままのモノグリセリドと脂肪酸、グリセロールなどに分解されます。
水に溶けやすいグリセロールはそのまま小腸上皮細胞から吸収されますが、モノグリセリドと脂肪酸は、腸内に分泌された胆汁酸の働きによりミセルという親水性の非常に小さい分子に取り込まれ腸管から吸収されます。
小腸上皮細胞に入った乳化物は、今度はタンパク質と結合し、カイロミクロンという大きなリポタンパク質(Q44参照)をつくります。カイロミクロンはリンパ管から吸収されリンパの流れにのり、腹部、胸部、さらに左頸部下から鎖骨下静脈、心臓を巡って動脈に移り全身へ運ばれます。
炭素の鎖が10個以下の短い脂肪酸は、ブドウ糖やアミノ酸と一緒に門脈経由で肝臓に向かいますが、脂肪成分の多くはリンパ経由の道のりをたどります。食後3、4時間してやっと脂肪が吸収されるのはこうした長いプロセスがあるためです。

コレステロールの消化吸収
食品として摂られたコレステロールは、胆汁酸だけでできたミセルでは、溶解力が小さくなかなか乳化されません。そこで登場するのが中性脂肪が分解してできた、モノグリセリド。モノグリセリドと胆汁酸が混じったものを混合ミセルと呼びます。コレステロールはこの混合ミセルに助けられ、腸管に吸収されます。その後は、カイロミクロンになって肝臓に運ばれます。



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